[解説]個別法整備が課題に−−循環型社会基本法案素案

 環境庁が中心になってまとめた循環型社会基本法案の大きな意義は、「必要に応じて」という条件つきながら、廃棄物の最終処分の責任を製品の生産者に負わせる「拡大生産者責任」を盛り込んだことだ。  例えば、車を廃車しようとする場合、製造したメーカーがその車を引き取る責任を負うというものだ。そうなれば、メーカーはコストを削減するため、ごみになりにくく、リサイクルがしやすい製品作りに取り組むという効果 が期待される。OECD(経済協力開発機構)も今年夏、「拡大生産者責任」制の導入に向けたガイドラインを加盟国に示すことになっている。  だが「事業者の負担が重くなり、経済状況が思わしくない中、導入は時期尚早だ」(経済団体連合会)などと産業界には慎重な声も強い。基本法の制定に加え、具体的な内容を定めた個別 法をこれまで以上に整備することが不可欠だが、それにどこまで実効性を持たせるかはまだ不明確だ。

 法案作りは「2000年度を循環型社会元年と位置づける」という昨年秋の与党3党の合意に基づき始まった。だが、政党や省庁間の水面 下の議論が中心で、作成過程が不透明だという指摘が環境NGO(非政府組織)から出ている。  循環型社会基本法の制定は、21世紀の日本社会の骨格作りにつながるものであり、広く国民から意見を聞き、内容を深めるべきだろう。

【鴨志田公男】 [毎日新聞1月21日]